感傷日記(シンガポール退屈日記2)

季節の変わり目は如何せん、心が傷みやすい。
理由など知らないし、なるべく知ることを放棄するように努めている。

殊更、自分に関しては大学生の頃に肌が敏感な体質に、なんらかの事情があって急遽変貌してしまい、見た目的にもかなり気持ち悪い蕁麻疹を季節の変わり目に発疹してしまうようになった。
なんらかの事情がいつ終焉を迎えるか、 僕の身体は教えるつもりは一切無いようです。だけど、24年の付き合いなんだから、少しくらい内縁の話しをしてくれたっていいよな。とは思っています。どうですか。

まぁ、そんなこと言った所で自分が現在、滞在している場所はシンガポール。季節の変わり目なんて、カップ麺のどん兵衛が関西と関東で微妙に味が違っているという程度しか変わりがないので体質的に問題はないんです。がそれ故にあのセンチメンタルな肌寒さを体感できないのは、少し心が痛みます。

もう少し、私的な話をするなら、私が宿泊しているホテルの部屋。そこには窓がありません。バスタブがありません。備え付けの歯ブラシがありません。
備え付けの歯ブラシは、私とともに自宅から高度数千、数万メートルを旅した歯ブラシがおりますので、必要は無かったのですが歯磨き粉だけが、自宅の洗面台に忘れ去られていますので、これには少し困りました。
もちろん、歯磨き粉を買えば解決なので、歯磨き粉を適当にセレクトして購入しましたが、これが強烈なんだ。歯をみがく度に、舌の細胞が万単位で死んでいくのが感じ取れる気分です。

まぁ、それも微細な問題で本当に困っているのは窓がないことと、バスタブがないことです。
窓がないと、どうも気分が鬱々しくなってしまいます。そして、一日の疲れを溶かす入浴という行為も出来ない。オマケにシャワーはカバのヨダレかと思うくらいちびちびしか出ないので、僕はカラン(どうしてこんな名前なんだろうと物心ついた時から思っていますが、未だに調べる気力は湧いてきません)で身体の汚れを落としています。
鬱々としている部屋の中で、横の教徒が聖歌を歌い出す。これがまた、果てしなくマイナー調。救われる気がしないよ、私も君も。

そんなこんなで、いつもなら楽器を弾くわけですが、聖歌人のイビキが聴こえるこの部屋で楽器を弾くことなど出来るわけがありません(僕も大人になった)。もちろん、楽器もないですし。
じゃあ、音楽を聴こうと思うわけなんですが、狭い部屋でヘッドホンをして音楽を聴くのは、あまり音楽を聴く姿勢(アティチュードとかではなくて、単純な行為としての好き嫌い)として好きではなくて。それならスピーカーで聴きたいんですが、イビキが聞こえるこの部屋で...以下同文。まぁ、スピーカーも東京でお留守番してますから。

という訳で、日本に帰ったらファズを大音量で鳴らしたり、スピーカー鳴らしながら、新宿の街を眺めながら読書をしたいなと思っています。

PS.結局、消去法として本を読むor向かいのマレーシア人が喧嘩を始めたら(偏見だと自覚してますが、肌の色が濃い目のアジア人は口論が趣味なのかと、海外に来る度に思わざるを得ませんね。*1)、ヘッドホンを仕方なしにつけるのですが、『学生食堂』という懐かしい曲を聴きました。室内の窓から代わり映えのない風景をただながめながら、女の子が口ずさみのにとってもぴったりな曲だと勝手に思いました。

give me window, and a guitar.

*1:今は夜中の3時49分ですが、とっても喧しい