さよなら世田谷

世田谷は世間でも言わているように、品はそこそこある。
と僕は思うのだが、小田急線 梅ヶ丘から電車に乗ると、そこには品の良い人がそんなにはいない。ラグビー部に推薦したくなる中年女性もそれなりにいるし、やっぱりほんとに品の良い人はそもそも朝のラッシュ時の電車には乗らないのだろう。
自分もそこそこのお金持ちだったら、仕事はするかもしれないけれど、朝のラッシュ時には電車に乗るという選択はしないと思う。

世田谷はかなりいい街だと思う。
そよ風が聴こえる静けさがあって、そこに子どもたちの声が聴こえてくる風景には人に童心を思い起こさせるところがあった。
おいしいパン屋もあり、適度に清掃された(残念ながらこの街でホームレスはひどく嫌われていると思う)公園もあって、ゆっくりとした休日を、この街は丁寧に演出してくれる。
僕は世田谷が好きだ。

僕が住んでいた家と世田谷という街のおかげで、僕は家というものを「ただ生活を営むためだけの空間」と考えていたが、この認識を少しは変えるきっかけになったと思う。
だからこそ、僕は引っ越してみようと思った。色んな街で、色んな場所で、いろんなことを感じて、考えて、過ごしていきたいなと、漠然としているけれど考えた。

さよならは悲しいけれど、それはきっと素敵なことだ。

PS.僕が住んでいたあたりでオススメできる場所。
世田谷中央図書館、
パン屋(Boulangerie-Sudo)、若林公園、羽根木公園、寿司の美登利(今日初めて行ったけど、とってもおいしかった)、三軒茶屋の定食屋(名前は知らない)、オムニ食堂、砧公園。三軒茶屋シネマ。
あとはなぜか、三軒茶屋にある肉のハナマサの殺伐とした感じもなんとなく好きでした。ニートの頃、あそこの地下フロアで50円の炭酸ジュースを買って、少し不気味な静けさの踏切をわたって家に辿り着いた時に飲むあの身体に悪そうなジュース、なんともいえないおいしさだったなあ。