浮気心と秋の空

他の動物を見て、人間はたまに本音のような嘘をつく。
「魚っていいよなぁ。海の中を自由に泳げるんだもんなぁ」

僕は深海という大好きな本を手にとってそんな嘘をつく。
もちろん、読んでいるときには、そんなことを本気で思っていたりもする。
だけど、やっぱり、深海魚か人間かどっちか選べって言われた日には、やっぱり人間を選んでいるような、そんな気がする。

人間をもう一回できることになるとしたならば、女の子をやってみたいなぁなどと思いながら、こんな風に浮気心を持てるオトコもやっぱりそれはそれでいいかなぁなんて思っていたりする。

もし僕らがこんなことを考えていることを知ったら、深海魚はきっと、とっても怒るのだろう。
「じゃあお前たち、やってみろよ。サメのせいで安心して眠れた日なんか無いし、酸素がありすぎる海面に近づくこともできないし、もっと下に潜って行きたくても水圧の関係でできないんだぞ。」

現実的な回答をもってして、ぼくらは魚に怒られる。
そんな現実が見えたりしないから、ぼくらは他の動物や、他人をうらやましがる。


僕は死後の世界など存在しないと思ってたのだけど、最近読んだものには、その考え方は正しくないというようなことばが書いてあった。その理屈はこうだ。

「死んだあとの世界は誰も経験したことが無いのだから、あの世があると言い切ることができるのもおかしな話ですよね。でも、死後の世界が存在しないと言うのも、どこにも根拠はありませんよ。誰も行って確認したというわけではないですからね。」

何言ってるんだと思いながらも、一理あるなぁとも思って、面白かった。

もう一回現世に来れるのならラッキーだし、全く違う世界(魚になるとかじゃなくてね)があるなら面白そうだけど、
肉体的には死んでいるけど魂があるのならそれは辛いなと思う。そんな状態で焼かれたりするのだけは嫌だなーとなんとなく思ってる。

ちなみに幽霊は幼稚園の頃に見た記憶が鮮明にあるけど、信じてません。