うどんの競争優位性


単刀直入に言うと、僕はうどんがあまり好きじゃない。
決して嫌いなわけではないのだが、世の中に沢山食べ物がある中で、街にたくさんの食べ物屋があるなかで、うどんを食べるという選択肢を選ぶことがあまり好きじゃないだけだ。

だがしかしだ。
うどんは大ヒットしている。街を歩けば、牛丼屋と同じぐらいの頻度でうどん屋はあるし、店内を覗いてみると、結構、繁盛している店は多い。
この間、広島のショッピングモールのフードコートを訪れた時には、11時半頃にも関わらず丸亀製麺だけが行列を作っていた。(他の店はがらがらだった)

どうして、あの小麦粉の塊うどんが、そこまで人の食欲を満たす機会があるのだろうか。
僕としては正直、理解できない。
うどんに、だしをかけるだけでそこまでうまくなるものだろうか。うどんのポテンシャルは、小麦しか使わない時点でたかが知れているはずだ。
米の様に、主食でありながら、他の素材を役立てる穀物界のファンタジスタと違って、うどんは、基本的に、うどん本体と、だしのみで勝負している。(流行っているうどん屋は、トッピングが多いし、ちょっと違うかもしれないけれど)
あと、どうでも良いけど、江戸以前はうどんは高級品であった。(粉にする技術が未発達であったから)

やはり狂っていると感じるのは僕だけなのだろうか。街を歩けばうどん屋に当たるなんて、日本はどうかしている。うどんを食うためにどうして人は生きるのか。どう考えても、うどんよりも牛肉だろう。肉は文句なしに美味しい。マクドは100円で牛肉が入ったハンバーグを販売している。どうしてうどんは300円もするんだ(十分安いけど)。
なんか、雰囲気出しているうどん屋に限っては平気で、おしながきを見ても800円とか書いてやがる。狂ってる。(食べたけど)

でも、否定するだけじゃ、天下のうどんさんに失礼だ。
うどんがどうして多くの人に受け入れられるんか、うどんの競争優位性(敢えて、格好良く言ってみた)について考えてみよう。

箇条書きで自分が思いつくだけ上げてみよう。

・原料が安い
・調理時間が短い
・誰でも簡単に食べられる(重くない)
・日本っぽいのでなんか気持ち嬉しい
うどん屋さんにいる大将とか、なんか職人ぽくて良い。(寿司屋には高くて行けないけどうどんならいけちゃう)
・味が基本的に小麦と醤油なので、嫌いな人が少ない。
・なんかうどん県とか、UDONとか言う映画やってたし、うどんって国民食じゃん?的な雰囲気

まぁ、異論もあるだろうけど、こんな感じでどうだろう。ちょっと内容被ってて「MECEじゃねぇじゃん」とか思ったコンサルタント会社勤務の人がいたら、ごめんなさい。もう少しで終わるので、我慢してください。
ちょっと適当にクローズアップしてちょっとどれが人気の理由なのか考えてみよう。

・原料が安い
ということは、うどん業界的には利益率を上げやすく、価格もリーズナブルに抑えられることからも、お客さんにもその影響は大きい。人間は、「安い、早い、上手い」に弱い。マクドナルドの様に、牛さんを安く提供するには、ある程度の規模の経済(大量生産すると安くなる)というのが必要で、全国に多くの店舗を持たなければ、運営するのは難しい。うどんなら、それに比べるとまだ簡単だろう。

・調理時間が短い
これも、店舗展開するうどん屋、料理を作るママさんたちにも非常に優しい。
社会人というのは、基本時間がない存在らしく、昼間はファストフードに入ることが多いらしい(学生たちはお金が無いのでファストフードに入る。というか高い店知らない)。おしゃれなパスタなんか食えるのは、ブルジョアジーなOL達であると、独断と偏見で僕はそう思っている。異論は認める。
そうなると、牛丼や、ハンバーガーという、ちょっと身体に悪そうなものが多くなる。それかコンビニになる。
そこへうどん屋が現れた。
小麦だけだから、まぁそこまで身体に、悪くないだろうし、トッピングの天ぷらも、油がそこまで残らないから、健康そうだし、好きな野菜選べちゃうし、できちゃうの早いし、とっても安いし、みたいな感じで、なんともサラリーマンたちには、優しい、うどん屋なのである。

・日本っぽいのでなんか嬉しい
これは、なんとなくだけど、あながち間違っていない気がする。
マックと丸亀どっちにするか、5分5分の争いを繰り広げているときには、この日本っぽいというステータスによって丸亀を選ぶ、人間が何人かいるんじゃないだろうかというのが、僕の推測だ。根拠は自分の体験だ。


・なんかうどん県とかあるし、「UDON」とか言う映画もやってたし、うどんって国民食じゃん?的な雰囲気
一個前の理由とちょっと被ってる気がしないでもないけど、これもやっぱり大きい(と勝手に思ってる)。
ちょっと、考えてみてください。
街にナシゴレン屋さんあっても気軽に入らないでしょ?
街に中華丼専門店があっても、気軽に通えないでしょう?
それなのに、うどん屋さんだと気軽に入れちゃう、あの感じ。
うどん屋さんの戦略か、日本人のDNAかわからないけど、この気持ちの効果もでかいはず。


結論
正直、どれが決定打かわからない。多分、全部混ざり混ざって、うどんは今の地位を築いているのだろう。
正直、特段好きでもない、うどんのことについて書いてきて疲れてきているので、後半につれて投げやりになっているのは申し訳ない。
僕はうどんと違ってコシが弱い。
ほとんどの文章が「〜〜なはずだ」や「〜〜な気がする」のように、曖昧にで終わっているのは、全部根拠が無いからだ。
であながち、的を得ている様な気がして、ドヤ顔も織り交ぜながらこの文章を打っている。


しかし、僕は、この優位性を持ってしても、やはり、うどんが持つ力であそこまで多くの人に愛されているのはよくわからない。
とこれだけ文句を言いながらも、広島に行った時にも食べていたり、2ヶ月に一回は、なんやかんや食べてしまってるあたりに、うどんの魅力は隠れているのかもしれない。
うどんには魔力がある。多分。